Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年11月12日発行号 - MDOnline-DHCP問題のTIL



 実は2週間程前から、CRTを液晶ディスプレイに変えました。相変わらず値段の話が先になって申し訳ないですが、15インチタイプで10万をちょっと切る価格でした。もちろん、秋葉原で買いました。LG製です。いくつか並んでいる液晶の中では、ちょっと色合いが暗い感じがしたのですけど、まあカラーのシビアな校正までするわけではないので、いいかなというところです。CRTだと、実質的に17インチのものと、表示面積は変わらないので、1024×768ドットにして快適に使っています。なんと言っても、机の上がスッキリするのがいいですね。とは言いながら、Windowsマシンには17インチをつなげているのですが、CRT2台から、CRTと液晶になったので、そこそこスペースが広がりました。ただ、液晶は当然ひらべったいわけで、マイクの置き場所がありません。CRTの上部に置く形態ですから、どうしようもないというところです。まあ、それほど支障はありませんが。Cinema Displayがいいのは分かっていますが、高すぎて手がでません。だけどまあ、ちょっとはその気分をサードパーティ製品で味わえているかなというところです。
Carbon関連のAPIなどを解説する新しいドキュメントが一気に公開されています。来週以降、少しずつ紹介しますが、すぐにチェックしたい方は、以下のアドレスを御覧ください。
http://developer.apple.com/techpubs/macos8/SiteInfo/whatsnew.html
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


Mac OS 9のDHCP問題の原因を解説する文書が公開

Tech Info Libraryに「60671:Mac OS: DHCP Issues in Open Transport 2.5.1 and 2.5.2」という文書が公開された。また、ほぼ同一の内容で「25049:Mac OS: DHCP Issues With Open Transport 2.5.1 and 2.5.2」という文書も公開された。Mac OS 9でインターネット接続ができないいわゆる「DHCP問題」について、はじめて出された技術的な説明文書だ。iBookなどの最近の機種や、あるいはすべての機種でのMac OS 9では、DHCPによってTCP/IPの設定を行おうとしてもできなくなり、たとえば起動時にフリーズしたかのような動作が起こる。また、取得したIP情報の更新がうまくいかずに、その後のインターネット通信に支障が起きる。DHCPについてはRFC2131に基づいているが、その動作と合わないDHCPサーバがあることが原因だとしている。また、ARPストームという現象が発生する可能性もあることも、説明されている。いずれにしても、現象についてはかなり詳しく説明されているので、一読すべき文書だが、対処法についてはあまり具体的ではない。

関連リンク:Mac OS: DHCP Issues in Open Transport 2.5.1 and 2.5.2
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iBook, iMac, Mac OS 9


4DはバージョンによってはMac OS 9で重大な問題が発生

データベースソフトの4th DimensionをMac OS 9で使う場合には、バージョンをしっかり調べてから使う必要がある。Ver.6.0.X系では6.0.6r6以前のもの、Ver.6.5.Xでは6.5.2以前のものをMac OS 9で使用するとデータベースを壊す可能性が高い。4Dはいろいろなコンポーネントを組み合わせて使っているため、詳細は以下のリンクのページで確認してもらいたい。また、開発を外部に依頼して作成したアプリケーションの場合には、開発元に状況を確認する必要がある。また、開発者は納入先に対して適切に告知をしておく必要があるだろう。

関連リンク:Mac OS 9対応状況
カテゴリ:データベース, 開発ツールその他


【Mac OS 9シリーズ】マルチユーザ機能を使う(4)

 利用者のタイプとして「パネル」がある。これは、制限付きよりも、実際にはより制約の高いユーザーだ。やはり、このタイプの場合も、利用するアプリケーションを、「マルチユーザ」コントロールパネルで選択するようになっている。実際に「パネル」タイプのユーザーでログインすると、次のような「パネル」アプリケーションが起動する。
figs/macos9/10/file01.gif

 「パネル」ではFinderは起動しない。「パネル」アプリケーションは、ランチャーと決められたフォルダの表示機能しかないアプリケーションだと考えて良いだろう。起動できるのは、いちばん左の「項目」の区分にある項目だけで、ここはコントロールパネルで設定した起動可能なアプリケーションが一覧されている。起動直後は、アカウント名の区分があり、それは、そのアカウントでの「書類」フォルダだ。そこにフォルダの項目があれば、クリックするとその中身を表示する区分が増える。
 デスクトップはあるのだが、そこにはボリュームのアイコンすらない。つまり、アカウントの「書類」フォルダからたどれる範囲内しか、ファイル一覧を表示することはできないのである。つまり、事実上、ハードディスクの中身については、自分の書類フォルダしか見えないのである。
 また、パネルではダブルクリックではなく、すべて1回のクリックで処理が行われる。アプリケーションや書類は1回のクリックで起動し開く。だから、「選択する」ということは行われない。ファイル名の変更や、場所の移動などは、メニューにあり、メニュー選択後処理対象を選ぶAtEaseを思い出す操作体系だ。もっとも、ファイル名変更はあるにしても、フォルダの移動については書き込み権限のある範囲が少ないのでほとんど使うことがないかもしれない。

 「パネル」をどんな場面で使えるかを考えてみよう。もちろん、年令の低い利用者向けはあるが、定型業務的な使い方をしたいときにも1つの選択肢かもしれない。ただ、あまりに制約が多いので、業務利用的な場面ではかえって煩雑になる可能性もある。
 別の見方をしてみよう。マルチユーザ機能の利用に全体に言えることだが、たとえば企業のショールーム的なところにMacintoshを並べるような場合には有効かもしれない。単にプレゼンテーションや特定のアプリケーションを動かすというのであれば、制限付き、あるいはパネルユーザで利用できるようにするというのも手だ。パネルユーザはパスワードなしでログインできるようにするが、所有者などは当然パスワードを設定する。そうすれば、余計なところをいじられる心配は少ない。
 あるいは、サーバとして利用するときに「制限付き」「パネル」を活用するということも考えられる。システム構築で考慮すべき点は増えるが、実行権限をユーザ単位で指定できないMac OSのセキュリティ上の不備をかなり補えるだろう。特に、AppleScriptをTCP/IPベースで行うような場合、「パネル」にしておけば、外部からの利用者にFinderの処理をされないで済む。少なくとも、ファイルを消される危険性だけでも大きく減少することになる。ただし、そうした制約した環境でいろいろなアプリケーションが動くかどうかの検証なども必要になるし、アクセス権を前提にしたシステム構築が必要になり、場合によっては再設計も必要になるかも知れない。

 「マルチユーザ」コントロールパネルで、ユーザごとの設定では「アクセス権」というタブのページがある。ここでは、コントロールパネルを利用できるのか、セレクタを利用できるのかなどの設定ができる。
figs/macos9/10/file02.gif

 CD-ROMに関して制限をつける機能まである。まったく利用できない、あるいは制限なく利用できるという設定が可能だが、加えて、特定のCD-ROMの特定の部分だけを利用可能にするということができる。まず、前記のユーザごとの設定での「アクセス権」でCD/DVDについて、「使用可能なタイトルのみ」を選択しておく。そして、「マルチユーザ」コントロールパネルの「オプション」ボタンをクリックし、ダイアログボックスで「CD/DVD-ROMアクセス」のページを開く。そこで、利用可能にしたいCD-ROMをドライブに挿入する。そして「リストに追加」ボタンをクリックすると、利用可能なROMリストに入る。そして、下側のリストでルートに存在するファイルやフォルダが一覧されるので、利用可能にするフォルダやファイルにチェックを入れればよい。つまり、ファイルやフォルダレベルで、利用の可否を設定できるのである。手続き的には、禁止するというよりも、使っていいディスクのフォルダやファイルに許可するということになるだろう。
figs/macos9/10/file03.gif

 マルチユーザ設定をしたあと、所有者のパスワードを忘れてしまったような場合は次のようにすれば起動できる。CD-ROMなどで起動し、初期設定フォルダ内の「Multi-User設定」というファイルをフォルダから取り除く。そうすれば、ログオンの処理はなされないで起動できる。なお、Shiftキーを押しながら起動しても、マルチユーザ設定していれば、所有者のパスワードを入力しないと、Finderが起動しないようになっている。Tech Info Libraryにはそれで起動できるように書かれているが間違いではないだろうか。

カテゴリ:Mac OS 9, Mac OS 9


VisualCafeはVer.4.へ、Java2のSDK系列に対応

米国Symantecは、Java開発ツールのVisualCafe Ver.4を発表した。製品系列は、安価なStandard版、業務システム開発向けのExpert版、サーバシステム開発向けのEnterprise版の3系列となった。従来の、ProfessionalとDatabase版がExpert版に統合する形となるが、Java2 SEがExpert版、Java2 EEがEnterprise版に相当し、JDKの区分に対応するようになった。ニュースリリースにはなぜか対応プラットフォームについて記載がないが、Windowsで利用するのだろう。
なお、Macintosh版のVisualCafeは、Ver.2.0以降バージョンアップされていない。さまざまな憶測があったが、Ver.3は結果的にリリースされなかったこともあり、Mac対応から手を引いたことは揺るぎない事実となったと言えるだろう。

関連リンク:Internet Tool: VisualCafe
カテゴリ:Java, 開発ツールその他


ファームウエアアップデート時には割り込みボタンをしっかり押し込む

Tech Info Libraryに「58512:Firmware Updates: Fully Depress the Interrupt Button」という文書が公開された。Mac OS 9のインストール前に、ファームウエアのアップデートをする必要がある機種もある。アップデートするためには、ソフトウエアを利用後、起動時に割り込みボタンをしっかり押しておかないといけない。クリップを伸ばしたものなどを用いて確実にボタンを押し込むようにする必要がある。

関連リンク:Firmware Updates: Fully Depress the Interrupt Button
カテゴリ:Mac OS 9, Knowledge Base(旧TIL)


「Finder 設定」ファイルに記録される内容

Tech Info Libraryに「60670:Mac OS: Finder Preferences for Mac OS 8 and Later OS Releases」という文書が公開された。初期設定フォルダにある「Finder 設定」に記録される内容が列挙されている。Finderの各種設定やゴミ箱の位置などを記録するが、Mac OS 8.5以降はSherlockの位置を記録しておき、Command+Fで常に同じ検索アプリケーションが起動するようになっている。

関連リンク:Mac OS: Finder Preferences for Mac OS 8 and Later OS Releases
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9, Mac OS 8


マルチユーザ利用時にはパスワードに2バイト文字を使ってはいけない

Tech Info Libraryに「60669:Mac OS 9: Multiple Users Does Not Accept Double-Byte Passwords」という文書が公開された。マルチユーザ機能では、パスワードに2バイト文字を使ってはいけない。ログインができなくなる。もし、所有者のパスワードに2バイト文字を使っていてログインができなくなった場合には、Shiftキーを押しながら機能拡張を組み込まない起動を行う。そして、初期設定フォルダにある「Multi-User 設定」というファイルを捨てて再起動をすれば良い。これは、パスワードを忘れた時の対処法ともなるだろう。

関連リンク:Mac OS 9: Multiple Users Does Not Accept Double-Byte Passwords
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


ファンのないiMacでは音声認証登録時に内蔵HDのノイズが影響する

Tech Info Libraryに「60668:Mac OS 9: Creating Voice Prints on Fanless iMacs」という文書が公開された。ファンのない新型iMacで音声認証の録音をしようとしても、すぐに中止を促すメッセージが出てくることがある。これは、内蔵ハードディスクのノイズをマイクが拾ってしまうためだそうだが、対処法は書かれていない。また、ログオンの認証時には極力静かな状態で作業するしかない。

関連リンク:Mac OS 9: Creating Voice Prints on Fanless iMacs
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), iMac, Mac OS 9


LaserWriterのレイアウト印刷結果の綴じる方法

Tech Info Libraryに「25051:LaserWriter 8.6.5, 8.7: Default Binding Edge」という文書が公開された。LaserWriter8ではレイアウト機能によって2ページ分を1ページに配置して印刷ができるが、通常は用紙を横方向に使い、前のページは左側に来るので、短い方の辺で綴じる。「レイアウト方向」の選択により、前のページを右側にすることができ、その場合は用紙の長い方の辺で綴じるという用途にも使える。

関連リンク:LaserWriter 8.6.5, 8.7: Default Binding Edge
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 周辺機器


1999/11/11付けの更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年11月11日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。なお、サードパーティの連絡先についての文書は省略した。

60492:Mac OS 9: Installing the Mac OS
60493:Mac OS 9: Troubleshooting Before or During Installation
60640:Mac OS 9: Voice Password Can’t Find a Microphone
60641:Mac OS 9: Issue With DVD Player After Clean Installation
60516:Mac OS 9: What’s New - Open Transport 2.5
60556:Mac OS 9: Late-Breaking Tips
60555:Mac OS 9: Multiple Users - Owner Name Or Password Change
58465:iMac (Slot Loading): How to Eject a CD
58489:iMac: Downgrading Mac OS ROM Can Cause Start Up Failure
24784:iMac and iBook: World Book Encyclopedia Serial Number
60385:iMac: How to Install an iMac Firmware Update
60562:iMovie: Files Split At 1.9 GB When Capturing Clips
24627:Mac OS 8.5: Time Server Sync Crashes
58403:Mac OS 8.6: USB Printer Compatibility
24292:FAXstf: "Set To Answer" Conflict With America Online
24480:FAXstf: Not Picking Up Fax Phone Calls
24647:FAXstf: 5.0.4 Updater Read Me
55538:FAXstf and ClarisWorks
24342:Power Macintosh G3 and G4: IDE Master and Slave Support and Configuration
31116:USB Cable: Maximum Cable Length
58430:USB Info and Benefits of Dual-Channel USB
70001:WebObjects 4: Deployment FAQ
25043:TechTool Deluxe: Frequently Asked Questions
30878:DVD Discs: Not Mounting and/or No Sound
58501:AirPort: Supported Internet Service Providers
60440:AirPort Base Station: Description
31002:Power Macintosh G3 (Blue and White): When to Install Available Updaters
26176:Support for Former Claris Software Products
12170:LaserWriter Driver 8.0: Overview
24601:Mac OS Extended Format: Volume and File Limits
14116:PowerBook: Power, Reset & Interrupt Buttons
60619:AppleWorks: Palettes Are Gray in Mac OS 9
26200:Upgrading to AppleShare IP 6.3
70109:WebObjects: WebObjects Guides
25042:AppleShare IP 6: Default Password Methods

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)