Macintosh Developer Online (MDOnline)


1999年11月19日発行号 - MDOnline-ASIP6.3



ASPという言葉が急に流行りだしました。ちょっと前だと、Active Server Pagesだったわけですが、Application Sevice Providerというわけですが、受託開発+サーバビジネスというところでひとくくりにできるでしょうか。サーバを部分的に貸して業務処理というと、大型コンピュータのレンタルのような古い時代のものも思い起こします。いずれにしても、サーバベースで業務開発を委託するという意味では、従来のクライアント/サーバ方式から異なった形態のシステム構築手法を提供するという点ではそれなりに注目できます。一方で、今までやってきたことを名前を変えているだけとも言えなくもありませんが、やはりこの種の世界では、ネーミングも重要だと思います。ただ、英語の上では具体的な名前であるような気はしますが、日本語的にはちょっとなじみ薄い雰囲気です。どこかの開発者がうまい日本語の訳あるいは同等の業態さす言葉を作れば、より注目を集めるのではないでしょうか。本日も、Mac OS 9シリーズをお休みさせていただきます。
(新居雅行 msyk@mdonline.jp


AppleShare IP 6.3を日本でもリリース、Mac OS 9やSLPに対応

AppleShare IP 6.3の日本での発売について発表があった。製品は1999年12月中旬にリリースされる。10クライアントが\59,000、50クライアントが\118,000、500クライアントが\168,000となっている。AppleShare IPは、Mac OS 9で稼動するサーバアプリケーションだ。Mac OS 9が必要である。Power Mac G4でも利用できるなど最新のテクノロジーにも対応した。AppleShareによるファイルサーバ、SMBによるWindowsクライアント向けのファイルサーバ、Webサーバ、電子メールサーバ、FTPサーバ、プリントサーバの機能を持っている。6.3からはSLP(Service Location Protocol)もサポートし、Mac OS 9のクライアントで利用するネットワークブラウザからの検索にも対応した。パフォーマンスやセキュリティ面についても向上させている。
管理アプリケーションは、従来のOpenDocベースのものを一新し、OpenDocは必要なくした。TCP/IPベースで複数のサーバまでも管理できる。ユーザインタフェースもパレットとプルダウンメニュー形式となった。Network Assistantの新版、Ver.4も同梱される。クライアントは、Mac OS 9とそれ以前のもので使用するバージョンが異なるが、いずれも製品に含まれている。

関連リンク:製品&テクノロジー:AppleShare IP 6.3
カテゴリ:各種プロダクツ, サーバー製品


AppleShare IP 6.3へのアップデートを日本でも開始

AppleShare IP 6.1/6.2をAppleShare IP 6.3にアップデートするアップデータは、12月上旬にダウンロード可能になる。これ以外に、次の2つのプログラムサービスを提供する。AppleShare IPを1999年10月以降に購入したユーザに対して「Up to dateプログラム」を実施する。費用は\2,500。このプログラムに該当しない場合には「AppleShare IP 6.3 アップグレードプログラム」を利用する。所有のバージョンによって金額は異なる。こちらはたとえば、10ユーザの6.1/6.2から6.3へのアップグレードでも\61,950かかるが、製品版と同じCD-ROM(Mac OS 9も含む)が入手できる。いずれもすでに受付が開始しているが、12月中旬の発送となる。

関連リンク:AppleShare IP 6.3アップグレードの御案内
カテゴリ:


Mac OS 9では、GeoPort、GXはもはやサポートしない

Tech Info Libraryに「60536:Mac OS 9: Unsupported Mac OS Technologies」という文書が追加された。Mac OS 9でサポートされなくなったテクノロジーが列挙されている。まず、グラフィックス機能のQuickDraw GXはインストールされなくなり、システムには付属されなくなった。GeoPortモデム用のAppleTelecomもMac OS 9ではサポートされなくなった。ファクスカードを内蔵したプリンタ向けのLaserWriter8fもサポートされなくなった。残念ながらこれらのテクノロジーは、Mac OS 8.Xまででないと使えないものとなってしまった。

関連リンク:Mac OS 9: Unsupported Mac OS Technologies
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), Mac OS 9


OpenGL機能拡張がVer.1.1.2へ、テクスチャ機能などを充実

システムに3Dグラフィックスの機能を追加するOpenGLの機能拡張のVer.1.1.2がリリースされた。Mac OS 9に組み込まれているのはVer.1.1.1なので、少しバージョンアップしたことになる。インターナルテクスチャフォーマットのヒントのサポート、AGPでのテクスチャ処理の改良、Velocity Engineのサポート範囲の拡大、OpenGLのEXT_texture_env_add機能拡張の追加、パフォーマンスの改善を機能向上点として挙げている。ATI RAGE 128をボードに登載しているか、グラフィックスカードで搭載している場合、グラフィックス用のソフトウエアもアップデートされる。
なお、日本語のMac OS 9でアップデータを利用してみたが、削除するファイル名が見つからないというエラーが出る。北米向けなので、日本語システムでは使えないようになっているのではないかと思われる。

関連リンク:Open GL 1.1.2
カテゴリ:OS関連ソフトウエア, グラフィックス


クロスプラットフォーム対応のアプリケーションを作成可能なフレームワーク

C++で利用できるアプリケーションフレームワークの「CPLAT」は、MacintoshとWindowsのアプリケーションを生成できる。Ver.2.0となり、クロスプラットフォーム対応の、メニューなどのリソース編集機能に対応した。価格はシングルユーザで$50で、開発したアプリケーションの配付についてはロイヤリティはいらない。フレームワークでは、アプリケーション、ドキュメント、ファイル処理、ユーザインタフェースなど、アプリケーション作成に必要なものが揃っている。1つのソースコードを、MacintoshとWindowsの両方のアプリケーション生成に利用できる。また、STLにも対応している。コンパイラは、CodeWarriorとVisual C++に対応している。Mac OS向けのアプリケーションは、スクリプタブルあるいはレコーダブルにでき、Carbonへの対応も可能となっている。ソースコードに加えて、Mac OSで利用でき、アイコンやメニューなどを作成できるRADツールも製品に含まれている。Webページにはクラス一覧などを参照できる。

関連リンク:CPLAT, A low-cost corss-platform framework
カテゴリ:ライブラリ, 開発ツールその他


MozzilaがMilestone11へ

オープンソース化したWebブラウザNetscape Navigatorである「Moziila」のMilestone 11というリリースが行われた。Mac OS版のバイナリもある。概ね仕上げの段階に来ているということになっているが、HTMLエンジンのGeckoについては、HTMLについてはほぼ組み込みが終わり、DOMやXML関連が8割〜9割という状況だ。ファイル名のリンクはMac OS 8.5向けかと思わせるが、Mac OS 9でも利用できた。

関連リンク:Mozzila Releases
カテゴリ:ブラウザ


Mac OS 9でのCD Update 2.0はエラーは出るがそのまま続ける

Tech Info Libraryに「25057:Mac OS 9: Incorrect Version for CD Update 2.0」という文書が追加された。Power Macintosh G3 CD Update 2.0やiMac CD Update 2.0を、Mac OS 9で利用すると警告メッセージが表示されるが、そのままContinueボタンをクリックして続ければよい。これらのUpdateはMac OS 9にしても必要な機種で適用していない場合にはしておく必要がある。

関連リンク:Mac OS 9: Incorrect Version for CD Update 2.0
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), 周辺機器


クラリスワークスでClarisフォルダがない場合の症状

Tech Info Libraryに、クラリスワークスが必要とするシステムフォルダ内のClarisフォルダがない場合の動作などについての情報を記載した文書が掲載された。

25059:AppleWorks 5: ’The file "QuickHelp" couldn’t be found’ Error
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n25059
QuickHelpがないというエラーがでた場合には、基本的にはインストールをし直せばよい。QuickHelpアプリケーション自体はシステムフォルダのClarisフォルダにおさめられている。

25060:AppleWorks: ’MacLink Import Translators’ File Appears On Hard Drive
http://til.info.apple.com/techinfo.nsf/artnum/n25060
MacLinkのファイルができる場合がある。Clarisフォルダがシステムフォルダにない状態で、MacLink Plusをインストールすると、そのような状態になる。

カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), アプリケーション


Mac OS 8.6/JLKでは、ことえりとパスワード保護の相性が悪い

Tech Info Libraryに「25058:Mac OS 8.6: Crash With Password Security and Japanese Language Kit」という文書が追加された。Mac OS 8.6をPowerBook G3で使っている状態で、Japanese Language Kit 1.2の日本語を組み込み、パスワード保護をオンにしていると、インプットメソッドの切り替えでクラッシュする。この問題はことえりとパスワード保護2.0での問題であり、アップルも認識している。Mac OS 9ではこの問題は起きないようになっているということだ。

関連リンク:Mac OS 8.6: Crash With Password Security and Japanese Language Kit
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL), PowerBook, Mac OS 8


1999/11/18付けの更新されたTech Info Library

Appleより公開されているTech Info Libraryで、1999年11月18日付けで以下の文書が更新されている。以下のリストの左端が文書番号なので、記事の最後にあるリンク先にジャンプし、その番号を手がかりに検索をすると良いだろう。

16145:AppleShare: Platforms & Mac OS Releases Supported
43028:iMac: Where Can I Get a Floppy Drive?
31135:USB Adapter Card Support: Turn Processor Cycling Off
31136:PowerBook G3 Series (Bronze): Defaults to SCSI ID 2
43080:Tech Info Library Archive: Contents

関連リンク:Tech Info Library
カテゴリ:Knowledge Base(旧TIL)