タイトルMRJAppBuilderの使い心地は?カテゴリーOS関連ソフトウエア, Java
作成日1999/9/24 22:56:39作成者新居雅行
MRJ 2.2EA2がリリースされたことをお伝えする記事で「JBinderyがリソースをベースにアプリケーション生成をしていたのに対して、MRJAppBuilderはプロパティファイルをベースにPowerPCでのみ実行可能なアプリケーションを生成する。」という記述をしたが、実際にMRJAppBuilderを使ってみたところ、的を得ていない表現なので、もう少し詳しく説明することにさせていただきたい。MRJAppBuilderでは、JARファイルやリソースファイルなどを登録し、それらを含むMac OSのアプリケーションを作成する。JARやリソースファイルは登録できたが、classファイルは登録できないようだ。JBinderyは生成するのが68k互換のアプリケーションだったが、MRJAppBuilderはPowerPCアプリケーションとのことだ。

JBinderyあるいはCodeWarriorでアプリケーションを生成するときに、いろいろな設定が必要だ。mainメソッドのあるクラスやクラスパス、あるいはウインドウのサイズボックスの形態やJITを使うかどうかなどさまざまな設定があり、JBinderyではダイアログボックスで設定を行っていた。これが、MRJAppBulderではテキストファイルで指定することになる。たとえば、TestAppというアプリケーションを作成する場合、同じフォルダにTestApp.propertiesというファイルを作れば、そのファイルの設定を読み込んで、TestAppを生成するという具合だ。プロパティファイルの作成については、MRJ SDKにその解説ドキュメントが含まれている。Javaのプロパティファイルでのおなじみの形式になっている。

従って、MRJAppBulderは、非常にシンプルなユーザーインタフェースになっている。JBinderyでアイコンでパネルを切り替えて設定していた内容が、ほとんどテキストファイルで指定することになる。こうすることで、むしろ、自動化が可能になることや、何度か同じ作業を行うときに、手作業による間違いが防ぐことができるという点では歓迎できる機能かも知れない。ただし、GUIにこだわりたい向きには使いづらくなったと感じるだろう。

MRJAppBuilderを使ってみたが、実はうまく起動するアプリケーションが生成されなかった。バグリストを見ると、JARあるいはZIPファイルがうまく扱えないことがあることや、動作が不安定であることが説明されている。とりあえず、深追いはしないで、設定を行うところだけをチェックしてみたというところまでが進ちょく状況だ。

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