タイトル【Mac OS 9シリーズ】Sherlockプラグイン傾向と対策カテゴリーMac OS 9, Mac OS 9
作成日1999/10/27 14:53:46作成者新居雅行
Mac OS 9で機能アップしたSherlock 2は、Mac OS 9の特徴としてまず最初に語られる内容だ。ファイル名やファイル内容の検索については従来と基本的には同様だが、インターネット検索の機能が大幅に強化されている。Sherlock 2では「チャネル」という概念が導入された。Sherlock 2のウインドウ上部で選択するアイコン1つ1つがチャネルなのである。1つのチャネルにファイル名とファイル内容の検索があるが、残りはすべてインターネット検索だ。チャネルによって、たとえばインターネットの汎用検索、オンラインショップの検索、ニュースサイトの検索などと、目的に応じた検索ができることを目指している。見方を変えれば、チャネルはインターネット検索プラグインのセットの切り替えでもある。いろいろなプラグインを目的に応じて用意しておくというものと考えればよい。
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なお、1つのチャネルの中では、プラグインを使用するかどうかをチェックボックスで指定できるようになっている。その設定や検索キーワードも含めて保存しておき後で呼び出せるが、そうした使い方を頻発するのであれば、新たにチャネルを設けた方が早いかもしれない。
結果として、汎用の検索とショッピングでは異なる見出しのリストが得られる。当初はこれを見て、プラグインで結果のリストを定義できるのかと思ったが、それは残念ながら間違いだった。Sherlock 2の側で、あらかじめ結果リストの形式を4通り用意してあり、チャネルごとに結果リストの出し方を「タイプ」として選ぶようになっている。逆に言えば、その決められた出し方に従って取得結果を展開できるようにプラグインを作成しておく必要がある。

インターネット検索プラグインについて、プラグイン作成者あるいはプラグインのヘビーユーザーの立場から、概観を紹介しよう(詳細については開発者向けドキュメントが出ててから必要に応じてレビューする)。
まず、こうしたチャネルのメカニズムを解きほぐしておこう。まず、システムフォルダに「インターネット検索サイト」フォルダがあるのは従来とおりだが、そのフォルダ内にさらにチャネルごとにフォルダが作られる。その中にプラグインを入れておくことになる。プラグインのファイルはテキストファイルとして作成し、.srcという拡張子で名前を付け、ファイルタイプとクリエータがisspとfndfである点は変わらない。
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フォルダの中にある「Channel Data」「選択したサイト」の2つのファイルは自動的に作られる。チャネルはSherlock 2では「チャネル」メニューから「新規チャネル」を選択して作成できるが、それによりフォルダが用意され、必要に応じて上記の2つのファイルも自動的に作られる。
既存のSherlockプラグインは、タイプが「検索」のチャネルではそのまま使える。他のタイプで使えるようにするには結果リストに必要なデータを取り出す手がかりを記述する必要がある。すぐにでも「ニュース」向けのプラグインを作りたいのなら、既存のプラグインを解析すれば、すぐに分かるだろう。

プラグインのインストールについては、これまではプラグインのファイルを「システムフォルダへのドラッグ&ドロップ」で話は済んでいたが、Sherlock 2では少し動作が異なる。プラグインファイルをシステムフォルダにドラッグすると、メッセージが出た後、「インターネット検索サイト」フォルダのルートに移動する。そして、Sherlock 2を起動すれば、ルートにあるプラグインが自動的に「マイ・チャネル」フォルダに自動的に移動し、「マイ・チャネル」というチャネルでそのプラグインが利用できる。
プラグインのインストール方法を利用者に伝える場合には、この点を考慮すべきだろう。たとえば、最初に「マイ・チャネル」に登場することは伝える必要がある。タイプの違うチャネル向けに作られている場合など、必要ならチャネルを別のものに移動したいわけだが、それにはFinderの作業が必要になる。また、「検索結果がおかしい」というクレームは、意図していないタイプのチャネルにインストールして使っているということも想定できる。Sherlock 2を起動している場合、していない場合の説明がいるなど、インストールについての説明は簡単に済ませられなくなったと言えそうだ。
インストール時にチャネルを自分で作りたい場合もあるだろう。素直な方法は、Sherlock 2をAppleScriptコントロールすることだが、残念ながらこの方法でチャネルを新規に作るコマンドは用意されていない。そうなるとフォルダを作り、必要なファイルを自分で用意するということになる。「Channel Data」ファイルには少なくともチャネルのタイプが記述されるようだが、それだけではないみたいだ。ただ、フォーマットが公開されれば、テキストファイルなので自分で作るという手法もOKだろう。「選択したサイト」は自動的に作成されるようで、自分でフォルダを作った時には用意しなくてもよさそうだ。
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