タイトル【WWDC2000】Javaという視点で見たWWDCの基調講演カテゴリーイベント, WebObjects, Java
作成日2000/5/16 18:30:35作成者新居雅行
2000年5月15日から開催されたMacintosh分野での開発者会議、WWDC 2000(Worldwide Developers Conference)で、Mac OS XやWebObjectsについての発表があった。Mac OS Xは夏にベータ版、2001年1月に正式版というスケジュール変更があるなど、開発者にとっては大きなニュースがあったが、基調講演内容を、Javaという切口で紹介しよう。
まず、Mac OS X Developer Preview 4が基調講演後に参加者に配付されたが、これはJava2 SEに完全に対応したものとなっている。Developer Preview 3でもすでにJava2としておおむね利用できていたとの話もあるが、完全対応という点ではDP4ということになるとのことだ。一方、Java2はVer.1.3が正式に登場しているが、Mac OS Xの正式リリースでは、Ver.1.2なのか1.3なのかも小さな点ではあるが、注目すべきポイントだろう。なお、Internet Explorer 5のCarbon対応版もDP4に含まれているが、アプレットの動作についての情報は得られなかった。
もう1つはWebObjectsのJavaだろう。大きなところでは、今年の末までにリリースされるWebObjects 5は、完全にJavaで記述されていて、Enterprise JavaBeans(EJB)や、JDBCをサポートする。つまり、Java VMがしっかり稼動するサーバ環境では、OSを選ばなくなったと言える。これまでも、Linuxで動かすなどの裏技もあったものの、Javaというベースでさまざまなプラットフォームに対応することで、システム構築の自由度が高くなる。さらに、$699という低価格も魅力を増す1つとなるだろう。現在のWebObjectsは、Webサーバのモジュールとして動かす部分などがあるものの、一種のCGIのような形態の稼動環境と言える。オブジェクトがインスタンス化されると、サーバのインスタンスとクライアントのインスタンスで直接通信が行われるような形態なのだ。その点を考えると、Servletという形式ではないだろし、Java Server Pagesでもない。WebObjectsという独自の実行環境であり、EJB対応ではあるもののJava2 EEとは異なる枠組みになると考えられる。
WebObjectsのデモでは、Javaで作ったクライアントのアプリケーションを稼動させた。アプレットではなく、アプリケーションなのだ。そして、サーバのモジュールも含めて、すべてJavaで作られた検索アプリケーションが披露された。Mac OS Xの開発ツールであるプロジェクトビルダが自動生成したアプリケーションを使ったデモである。WebObjectsはアプリケーションサーバと呼ばれ、サーバ開発のツールであり、それは1つの顔である。しかしながら、Direct To Clientの機能を利用して、クライアントでJavaアプリケーションを動かすという方針は、クライアント/サーバ型のツールであるとも言える。また、オブジェクトの設計が柔軟なので、負荷分散をサーバとクライアントでかなり自由に設計ができるものと考えられる。こうして作成されたJavaアプリケーションも、Mac OS Xの特徴的なユーザインタフェースであるAquaのルック&フィールを持っており、さらにムービ再生がアプリケーションのウインドウ内でできるなど、メディアの統合も可能になっている。
WWDC 1999でのプレゼンテーション内容からすれば、Mac OS Xでは3つのJavaに分けて考えると分かりやすい。1つは、Java2対応という点からのPure Javaアプリケーションの利用だ。もう1つはWebObjectsという開発環境をベースにしたJava利用だ。以上の2つはWWDC 2000の基調講演での重要なトピックとなった。さらにもう1つは、Cocoaの開発言語としてのJavaである。CocoaはMac OS XのネイティブAPIであり、以前はYellow Boxと呼ばれていたものが進化したものだ。WWDC 2000の基調講演では、Cocoaの開発言語としてのJavaについては言及されなかった。
いずれにしても、Java2が整備され、WebObjectsもPure Javaの方向に向かっている。Mac OS Xは、Javaを積極的に利用したプラットフォームになりつつあると言えるだろう。
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