タイトル【Inside Mac OS X】Javaの開発環境としてもProjectBuliderカテゴリーJava, アップルからの開発資料, 開発情報
作成日2000/6/5 9:38:53作成者新居雅行
Mac OS Xには、Java2が搭載されるが、Sun Microsystemsからの発表にあるように、Java2 Ver.1.3が搭載される。Mac OS XがJavaをOSの重要な1つのフレームワークとして位置付けている点は、ある意味ではWindowsとの大きな違いであると言えるだろう。
Inside Mac OS X: Overviewのp49からJava環境についての解説がある。まず重要なのは、100% Pure JavaのアプリケーションやアプレットをMac OS Xで稼動できるということだ。つまり、AWTやSwingコンポーネントを使ったアプリケーションの稼動がMac OS Xで可能なのである。さらに、CocoaのアプリケーションフレームワークもJavaから利用できることになる。つまり、Javaのアプリケーションで、純粋なJavaアプリケーションも、Cocoa対応アプリケーションも作成できる。さらに、これらを混在させるということも可能だと書かれている。さらに、Javaのアプリケーションから、JNI(Java Native Interface)を利用することで、Carbonのフレームワークも利用できる。なお、AWTはCarbonをベースにしているため、AWTの上位レイヤであるSwingも含めて、純粋Javaアプリケーションは、システムレベルではCarbon対応アプリケーションと見ることができるだろう。
開発環境としては、javac、jdb、javap、javadoc、appletviewerなどが付属するとしている。これらを「コマンドライン環境」と呼んでおり、おそらくはSolaris版などのJava2 SDKを利用できるようにしたものと考えられる。MRJではコンパイラやアプレット実行アプリケーションは独特のものだったが、Mac OS XではとりあえずはUNIXレベルのものが提供されるものと思われる。そして、これらを使うフロントエンドとしてProjectBuliderが紹介されている。つまり、ProjectBuilderのGUI環境から、コマンドラインのjavacなどを呼び出して、コンパイルやデバッグができるというのが1つの開発環境となる。また、付属のjavacなどを利用してのサードパーティの開発ツールの可能性も示唆している。言い換えれば、ユーザインタフェース部分だけの作り込みで開発環境が実現するということになるだろう。ここで、「java」コマンドが紹介されていない。おそらく、アプリケーションの実行環境としては、何か別のものが用意されるのではないかと考えられるが、そのあたりの詳細は見当たらなかった。
Mac OS X環境では、Core Foundationにより、文字列処理やプロパティなどの基本的なデータ処理がサポートされている。しかしながら、Javaでプログラムを作成するときには、java.systemパッケージなど、基本的なデータ処理クラスは豊富に提供されており、そちらを利用するのが基本となる。ネットワーク処理についてもやはりJavaの標準ライブラリを使うことになる。
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