タイトル【Mac OS X Public Betaシリーズ】インターネットのセットアップ(2)カテゴリーMac OS X, ネットワーク, Mac OS X Public Betaシリーズ
作成日2000/11/1 1:56:24作成者新居雅行
いずれにしてもTCP/IPの設定では、「設定方法」で、DHCP、Bootp、手入力のいずれかを選択する。企業のネットワーク内や、あるいはダイアルアップルータを使う場合など、DHCPを使うことが一般になっていると思われる。DHCPを使う場合には各設定はすべて自動的になされるので、特になにもしなくてもいいということになる。ただし、DHCPにしていても、DNSアドレスと検索ドメインについては手入力するということも可能だ。この場合には、「DNS設定」方法のポップアップメニューで「手入力」を選択し、テキストボックスに入力すればよい。複数の設定を入れる時にはreturnキーで改行を入力して複数の行に分けて入れる。なお、DHCPのクライアントIDについては、Mac OS X Public Betaでは設定ができない。従って、クライアントIDを必要とするようなケーブルテレビのネットワークサービスなどには接続できないことになる。
Bootpを使っているところは少ないと思われるが、BootpもDHCP同様に、各種の設定は自動的になされるので、基本的にはうまく動けば特に何もする必要はない。
状況によっては手入力、つまり、各種の設定を全部指定するということもあるだろう。企業のネットワークのような場合だと、ネットワーク管理者から指示されることになる。小規模なLANでも手入力で運用することもあるかもしれない。
なお、ホスト名については何か入れておく必要があるが、とりあえず少し試す程度なら最初から設定されているlocalhostなどそのままでいいだろう。通常のインターネット利用では、ホスト名によって動作がうまくなされないということはほとんどないと思われる。ただし、DNSが稼動している環境下では、基本的にはネットワーク上での「名前」は決められたものになっているはずだ。その名前を入れておくのが基本と言えるだろう。ただ、名前が自動的に設定されないということもあるが、これはPublic Betaだからなのだろうか? いずれにしても、サーバとして使わないのであれば、何か設定されていれば通常はあまり気にすることはないと思われる。
ウインドウの下の方には、ハードウエアアドレスとして、EthernetアダプタのMACアドレスも表示されている。Bootpのサーバ管理をするような場合には参照することもあるようなパラメータであるが、DHCPや手入力するような場合には一般には利用しない。

設定を変更して、「適用」ボタンをクリックすればよい。設定はその場で有効になるようだが、たとえば、その段階でDHCPサーバに接続してパラメータを取得しても、ウインドウには表示されない。変化のあった状況を反映させるには、基本的には「システム環境設定」をいったん終了し、再度起動する必要がある。別のアイコンを選択して「ネットワーク」を選択しても、やはり更新された状況はウインドウには表示されいなので、とにかく設定変更後は「システム環境設定」は終了しよう。

こうした設定でうまく動けば問題はない。たとえば、DockからInternet Explorerを起動すると、ExciteのAppleユーザ向けのページが開かれる。Internet Explorerでとにかく外部のWebページを参照できればOKだ。その場合にはネットワークは快適だということになるのだが、トラブルで思った通りに動かないと、ブルーな気分で対処に追われることになる。
たとえば、DHCPの設定にしてあるのに、うまくDHCPサーバからIPアドレスなどの必要な情報が得られない場合があったとする。その場合、Webブラウザで接続してもエラーになったりするが、「システム環境設定」の「ネットワーク」を参照すると、IPアドレスが設定されていなかったりする。(DHCPが見つからない場合には、Mac OSでは変なIPアドレスが設定されたが、そういうことにはならないようだ。)
トラブルがあったときには、物理的にケーブル接続されているかどうかをまず調べる。Mac OS 9が稼動できるのなら、まず、Mac OS 9でもネットワーク接続ができるかを調べる。もし、Mac OS 9で稼動するのに、Mac OS Xでだめだったら、Mac OS Xでの設定の問題があるので、Mac OS 9のときの設定をなるべく忠実にMac OS Xで再現するというのが基本になる。Mac OS 9にしてもやっぱりネットワーク接続ができない場合にはハードウエア的な問題か、設定に関する認識が根本的に違っているのだろう。たとえば、DHCPがネットワーク内で利用できると思い込んでいるにもかかわらず、実はDHCPは使えない状態だとか、あるいは手入力した設定が違っているなどが考えられる。自分でネットワーク管理をしていればまだしも、他にネットワーク管理者がいる場合にはいろいろやっかいなことがあるかもしれない。もちろん、管理者が仕事ができる人ならいいがそうでない場合もあるし、単純なミスもあるだろう。また、ネットワーク管理者がMac OS Xに対して関心を示していない場合には話が通らないかもしれない。つまり、だめだったらOSのせいにされるという可能性もあるわけだ。
いずれにしても、うまく稼動できない場合には、何とかしなければならない。機器類のマニュアルなどを調べてとにかく動くようにしよう。

ところで、LinuxやFreeBSDをよく知っている方は、ネットワークアダプタ(Ethernetカード)のドライバはどうなっているのだという疑問をいだくかもしれない。PCだと、各社のEthernetカードがあって、それぞれにドライバがあるのだが、Windowsではかなりサポートされており、Linuxではそれなりに充実しているが、FreeBSDだとドライバがないということもあったりする。特に安価なカードだとドライバなくて困ることもある。安全圏を見て、有名メーカ品を買うのはフリーUNIXのシステム管理の手間を軽減するための基本だったりもするわけだ。
だが、Mac OS Xが稼動するMacintoshはすべてがEthernet端子を標準で持っている。そのため、要はMac OS Xは純正品のEthernetアダプタに対応すれば基本的には問題ないといった姿勢であると思われる。純正品以外でのネットワークアダプタについての稼動情報はAppleからはリリースされていないが、ある種のアダプタがDarwinで稼動したという話も聞く。基本的にはEthernetアダプタ向けのドライバが必要になるのだが、従来のどのOSとも異なるドライバモデルを採用しているため、今のところごく一部のメーカがEthrnetアダプタのドライバをリリースしているに留まっている。結果的にPCIカードのEthernetアダプタをつけるということはほぼ無理なことだと思った方がよい。また、こうした設定でルーティングなどをしようとしても、複数のアダプタが接続された状態での動作を、Mac OS X Public Betaではサポートしていないという主旨の文書も公開されている。とりあえずは、本体標準のEthernet端子で接続する以上事をやるのはかなり困難になると考えておいて良いだろう。
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