タイトル【Mac OS X Public Betaシリーズ】Mac OS X Public BetaのDeveloper Toolsをインストールするカテゴリー開発情報, Mac OS X Public Betaシリーズ
作成日2000/11/14 14:44:7作成者新居雅行
Mac OS XのAppleによって提供される開発ツールは、今のところ、ADC Premier/Selectメンバに送られたとされるDeveloper ToolsのCD-ROMと、ADCのメンバサイトからダウンロードできるものがある。CD-ROMはADC会員には、9月と11月に送付されてきているはずだ。どちらもCD-ROMには「Z693-3135」という製造番号になっていて、同じものかと思ってしまう。しかしながら、MOSA Software Meeting 2000での情報によれば、9月配付版(パリで開催されたApple expo 2000のリリースに対応したもので「パリ版」と呼ばれている)と11月配付版(日本語版のリリースに対応したもので「タカシマヤ版」と言われている)にはいくらか違いがあるという。実際、微妙な違いは見つかったが、いずれにしても、現状ではタカシマヤ版を使うのが得策と言える。同じ製造番号のCD-ROMであるが、タカシマヤ版は「October 2000」という文字があり、パリ版にはその年月を示す文字がない。CD-ROMをごちゃまぜにしてしまったときには、これを手がかりにしよう。
さて、タカシマヤ版のDeveloper Toolsのインストールは、CD-ROMにある「Developer.pkg」というファイルをダブルクリックするだけであるが、システムの言語設定を日本語にしていると、カギをクリックして管理者パスワードを入力する作業を、2回(あるいは3回とも言われている)行う必要がある。1度行っても次に進めないので、もう1度カギのアイコンをクリックして認証を行うと、インストールが始まるという具合だ。これはインストールされるソフトというより、インストーラのアプリケーション側の不具合のようで、Developer Toolsではない他のソフトウエアでも同様な症状になる。知っておくと迷わないで済むだろう。なお、パリ版は、インストール時に言語を英語にしておかないといけない模様だったが、タカシマヤ版は言語を日本語にしてインストールしてもとりあえずは大丈夫だ。
さて、こうしてインストールするとインストールしたボリュームのルートにDeveloperというフォルダがあり、さらにその中にApplicationsというフォルダがある。そこに、統合開発ツールのProjectBuilderがあるのでダブルクリックすれば起動する。すでにアップルからサンプルコードも配付されているのでそれを開いてどうなっているのかを見てみるのもいいだろう。おそらく最初にやってみることの1つはとにかく新しいプロジェクトを作ってみることだろう。FileメニューからNew Projectを選択して、ダイアログボックスで作成するプロジェクトの種類を選択する。ここで注意しなければならないのは、現状でいちばん無難なのは、プロジェクトを新規に作成するときには、Mac OS Xの言語を英語にしておくことだ。たとえば、日本語にしておいて「Java Application」を作ろうとしても、ひな形になるソースファイルすら作られないという症状に見回れる。システムの言語を英語にしておくと問題なく作成できる。「Cocoa-Java Document based-Application」の場合は、日本語システムの状態でプロジェクトとを作成しても、一見きちんと作られたように見える。しかしながら、ResourcesフォルダにあるInfoPlist.stringsファイルを見てもらえば分かるように、情報文字列がうまく設定されていない。おそらくひな形になるファイルの中身がそのまま来ているのだろう。そのため、実行すると、アプリケーションメニューがひどい結果になる。もっとも、少し試した限りではこのファイルを書き直せば問題はないので復旧はできるようだ。
いずれにしても、英語システムにしてプロジェクトを作れば失敗はない模様だ。その後のプログラミング作業でも、もしかすると英語システムでないとうまく行かないこともあるのかもしれないが、少し使った限りではそうした場面にはまだ出くわしていない。しかしながら、プログラミング作業をするときには英語システムにしておくのが安全圏ということも言えるかもしれない。なお、英語システムにするには、System Preferences(システム環境設定)を呼び出し「地域」のアイコンをクリックし、表示されるパネルの「言語」のタブにある「言語」の一覧で、リストの最初にEnglishをドラッグして移動しておく。そして、ログアウトして再度ログインするか、再起動を行えばよい。
また、ProjectBuilderを起動しただけの状態だと、.nibの拡張子がInterface Builderと結びついていない状況になり、たとえば、MainMenu.nibファイルをProject Builderでダブルクリックしても、なぜかStuffIt Expanderが起動してしまう。ここではInterface Builderを直接一度起動してみるなどいろいろやっているうちに、.nibファイルのダブルクリックでInterface Builderが起動するようになった。この点も注意が必要だろう。
さて、ADCのサイトからダウンロードするDeveloper Toolsについて、どこまで公開していいのかは難しいが、Developer Tools自体は機密でないということで、ダウンロードしてからの作業のポイントを説明しよう。ADCのサイトには、1つのtarファイル(複数のファイルを1つのファイルにまとめたアーカイブファイル)があってそれをダウンロードするということのようだが、筆者が試したときにはオリジナルのファイル名が再現されなかった。そこで、ファイル名を「devtools.tar」など拡張子が.tarで適当な前をつけておく。そして、自分のホームフォルダに保存しておく。そして、Terminalを起動して解凍を行ってみた。UNIXを知らない方向けにやり方だけ書いておくと、devtools.tarというファイルがホームフォルダにあるとして、Terminalを起動直後に「tar zxvf devtools.tar」と入力しreturnキーを押せばよい。すると、同じフォルダに「Developer.pkg」というファイルができる。それを、Finderのウインドウで表示させてダブルクリックすればよい。あとは、CD-ROMの場合と同じである。日本語システムだと、何度かカギの解除をしないといけないのも同様である。
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