「Mac OS 8.1ガイド」では、Mac OS 8.1から導入された新しいハードディスクのフォーマット形式である「拡張フォーマット」について、詳細に説明をしました。Mac OS 8.1に付属の「ドライブ設定」あるいは「ディスクの初期化」の機能で拡張フォーマットにできるものの、完全にフォーマットしてしまうため、ボリューム内のファイルは全部消えてしまいます。そのため、拡張フォーマットをするためには完全にバックアップを取る必要があるなどやはりかなり不便です。
しかしながら、Alsoft社のPlusMakerを使うと、標準フォーマットの中身はそのままに、拡張フォーマットに移行することができます。手間をかけずに拡張フォーマットにできるツールとして注目できます。
PlusMakerは、標準フォーマットのボリュームの中身をそのままに拡張フォーマットに移行することができます。説明では、いちおうバックアップを取って作業をしろとなっていますが、やってみたところでは、問題なく標準フォーマットから拡張フォーマットに中身を消さずに移行できました。
アプリケーションのPlusMakerを起動すると、次のように、マウントされている標準フォーマットのボリュームを選択するダイアログボックスが表示されます。
ここで、Graphボタンをクリックすると、次の図のように、選択したボリュームの中のファイルの配置状況をグラフ表示します。これは中身の詰まり工合の参考程度にしかならないかもしれません。拡張フォーマットへの移行については特に意味はないようです。
Convertボタンを押すと、実際にコンバート作業が選択したボリュームに対して行われます。次のようなステータス表示が作業中には表示されます。いろいろな段階があるようですが、ともかく待っていれば作業が行われます。
拡張フォーマットにするので、もちろんそのボリュームは、Mac OS 8.1でないと利用できなくなります。フォーマット結果は「ドライブ設定」を使った場合と若干異なり、ブロックサイズが0.5KBになっています。「ドライブ設定」の場合は、通常のディスクだと4KBになることが一般的ですが、より効率が高くなるように、小さなブロックサイズになっているようです。マニュアルによるとそれでもパフォーマンスの低下はないとしてありますが、実際に使ってみた感触では遅くなったとは思えません。ブロックサイズが通常の8分の1になるというのは、やはり小さなファイルが多くなりがちなので、ハードディスクの効率的な利用に貢献してくれることになります。
PlusMaximizerは、Finderの「特別」メニューの「ディスクの初期化」のときに、拡張フォーマットをしつつ、さらに0.5KBのブロックサイズでのフォーマットができるという機能拡張です。機能拡張なので、システムにインストールして再起動する必要があります。その後、次のように、ディスクの初期化の処理で、「Mac OS Maximized XXXMB」という項目が加わります。これを選択してフォーマットすると、拡張フォーマットであると同時に、ブロックサイズが0.5KBになります。通常ならブロックサイズが4KBになるので、やはりより効果的に拡張フォーマットを利用できることになります。
ただし、この方法では、フォーマットを実際にするので、ボリュームの内容は削除されてしまいます。PlusMakerのように、中身をそのままに拡張フォーマットに移行するというわけではありません。しかしながら、システムのいろいろな場面で拡張フォーマットを効果的に利用するという機能を提供するというAlsoft社の姿勢が伺えるものとなっています。
いずれのソフトも、Alsoft社にメールをすることで購入できます。クレジットカードでの購入ができますが、郵送、あるいはオンラインでの入手もあるようです。あらかじめどちらかを指定しておけば早いかもしれません。入手方法は同社のWebページを参照してください。
PlusMakerの価格は$29.95、PlusMaximizerの価格は$29.95ですが、両方をまとめて購入すると$39.95でとなり、郵送の場合はフロッピー1枚に両方のソフトが入ったものが入手できます。マニュアルはPDFファイルのみで冊子は付いていませんでした。郵送の場合の送料は$7.95でした。注文から到着までは、2週間近くかかりました。