送信メールファイルの書式
新居雅行(msyk@mac.com)
新しくメールを作成する方法
新しくメールを作成するには、OME_MailWriterを起動します。すると、エディタが起動して、メールを書けるようになります。また、そのエディタで編集する文書は、OutBoxフォルダにとりあえず自動的に保存されます。
メールの1行目からは、ヘッダに指定する内容が並びます。ヘッダの仕様通りに記述すればいいのですが、最低限、Subject:とTo:が必要で、それぞれタイトルとあて先を指定する必要があります。その他、CC、Bcc、From、FromName、Reference、In-Reply-To、Attachment、Localeを指定できます。
以上のヘッダは特別な処理対象となるヘッダですが、それら以外にヘッダ部に設定したヘッダは、そのまま送信メールに追加されます。
From: 送信者アドレス | 指定したアドレスが送信者のアドレスとなります。Sender_Info.txtファイルに指定した2行目の送信者のアドレスを、現在書いているメールだけ違うものにできます。アドレスだけでもかまいませんが、名前 <アドレス> といったインターネットの規則に従った書き方にも対応し、その場合は名前は送信者名と扱われます。 |
FromName: 送信者名 | 指定した送信者名で送信メールがおくられます。Sender_Info.txtの1行目に記載された送信者名を、置き換えることができます。 |
Attachment: パス | ファイルのパス(BSDのパス)を指定することで、そのファイルを添付することができます。ただし、リソースフォークは無視されますので、リソースあるファイルの場合は、sitファイルに圧縮するなどしておいてください。なお、ファイル添付はスクリプトが用意されているので、それを利用するのが手軽でしょう。 |
Locale: 言語識別子 | システム言語、あるいはBehavior_Info.txtで指定した言語以外の言語処理によってメールを送信する場合に指定します。言語識別子は、例えば日本語だと「ja_JP」です。 |
ヘッダの各行は、Toなどのキーワードの後に、すぐに半角のコロンを記述し、そして、半角のスペースを入れて、送信先を書きます。他のヘッダも同様です。つまり、メールのヘッダ文字列の書式に準じるということです。
ヘッダが続いたあと、空白行をあけて、以下は自由に本文を記述できます。本文は、送信時に、自動的に76バイトごとに改行を挿入されます。このバイト数や改行を自動的に挿入するかどうかは、Behavior_Info.txtファイルで設定を変更することができます。禁則や英単語を刻まないようなインテリジェントなプロセスをかませています。
例:
作成するテキスト | 説明 |
To: msyk@mac.com |
宛先を記載する 件名を記載する ここには改行だけの行を入れる 以後、メールの本文を記載する |
To: msyk@mac.com |
宛先を記載する 件名を記載する Ccの記述ができる Bccの記述ができる ここには改行だけの行を入れる 以後、メールの本文を記載する |
To: msyk@mac.com |
宛先を記載する 件名を記載する 送信メールの送信者名はこれになる ここには改行だけの行を入れる 以後、メールの本文を記載する |
本文では、行の最初が <!--OME_SendMail:NOBREAK--> である場合は、その行には自動的に改行を挿入する動作が行われません。
こうして自由にメッセージを書き、必ず、Command+S等で保存をしてください。ファイルはあらかじめ指定されているので、上書き保存でかまいません。文字にスタイルをつけてもメール送信時には無視します。
メールを作成後、OME_SendMailを起動すれば、メールを送信します。送信メールを複数作成して、まとめて送ることもできます。
読んだメールに返信する
返信については、いくつかの方法があります。
- OME_BrowserCoSXでは、「メール」メニューから「返信」(Command+R)を選択する。
- メールファイルを、OME_MailWriterにドラッグ&ドロップ
- エディタに用意されたスクリプトを利用
いずれにしても、エディタで返信メールが開いた状態になるので、そこで必要な文面を記載します。
まず、Toのフィールドには、元のメッセージにReply-Toのヘッダがあれば、それが記入されますが、ない場合には、元のメッセージのFromの内容が記載されます。サブジェクトには、元のサブジェクトに「Re-」を付けたものになりますがBehavior_Info.txtファイルでカスタマイズできます。また、元のメッセージのMessage-Idが、In-Reply-Toのヘッダとしてつけられます。したがって、メーリングリストのメッセージをスレッド管理しているような場合でも、おおむね対処できます。
「返信メール作成」を呼び出す前に、メッセージの中の一部分を選択しておくと、その部分を、返信メールの引用部分に設定します。各行の最初に「> 」を挿入します(Behavior_Info.txtファイルで変更可能)。引用したについては、送信時に改行を挿入しないようにします。引用前には、ちょっと凝った送信者や元メッセージのタイトル、日付などが並びます。これを変更したい場合には、プログラムを修正します。
返信結果も、やはり最後に保存をして、そして、送信の手続きを行ってください。
返信を書くときの本文の引用の前につけるコメントのカスタマイズ
- 引用の前のコメントのカスタマイズは2通りの方法を用意しました。1つはテキストで、元メールの送信者などをどのように構成するかということを指定する方法です。もう1つは、コメントの文字列を生成するJavaのクラスを定義する方法です。単に元メールの情報と一定の文字列をもとにコメントを作る場合は、前者で事が足ります。Javaのクラスはよりインテリジェントな機能を組み込むときに使えるでしょう。Javaクラスの作成については、直接ML等で相談をしてください。
- コメントのカスタマイズは、完全に国際化されています。
- コメントをテキストファイルで指定したい場合には、OME_Preferencesフォルダに、ReplyComment.txtファイルを作成して、そこにコメントを組み立てる規則をテキストで記述してください。日本語がある場合は、とりあえずShift-JISコードで保存しておいてください。
- そのReplyComment.txtファイルを認識するようにさせるには、Behavior_Info.txtファイルにReplyCommentSupplyという文字列を追加してください。
- ReplyComment.txtファイルは国際化対応しており、ReplyComment_ロケール識別子.txtでの認識ができます。たとえば、日本語のコメントはReplyComment_ja_JP.txt、韓国語でのコメントはReplyComment_ko_KR.txtというファイルに入れておけば、送信するメールの言語に応じて選択される仕組みになっています。また、Javaのリソースバンドルの規則に従って、ロケール識別子のさまざまなバリエーションに対応します。たとえば、OMEが日本語で稼働しているときは、ReplyComment_ja_JP.txt、ReplyComment_ja.txt、ReplyComment.txtの順に検索して、最初に見つかったファイルの定義内容からコメントを作成します。結果的にReplyComment.txtは、英語のものを入れておくなど汎用的な情報をおさめることに使えるでしょう。
- もし、Behavior_Info.txtファイルにReplyCommentSupplyという文字列があるのに、ReplyComment.txtあるいはそれにロケール識別子がついたファイルが存在しない場合には、Javaクラスで定義したコメントがつけられます。Javaクラス定義されているのは、日本語と汎用のもので、日本語の場合には従来の形式です。汎用のものは、…wrote:形式のものにしています。
ReplyComment.txtに記載できる内容
%s | 元メールの件名 |
%f | 元メールの送信者名 |
%d | 元メールの送信日付時刻(Dateフィールドそのまま) |
%c | 元メールの日付を「2002/2/15」の形式で |
%t | 元メールの日付と時刻を「2002/2/15 12:4:12」の形式で |
%i | 元メールのMessage-IDの値 |
%r | 元メールの宛先(Toフィールド) |
\r | 改行 |
以上の文字列の置換を行うだけなので、その他の記述は、そのままコメント文字列になります。
例:
ReplyComment.txt → %fさんの%cのメールでは:
コメントの一例 → 新居雅行 <msyk@mac.com>さんの2002/2/15のメールでは:
その他のメール送信関連機能
- 送信メールのHTML展開に対応しました。詳細は、マニュアルを御覧下さい。
- OME_Preferencesフォルダ にTopMessage.txtというテキストを作成しておくと、OME_MailWriterでメールファイルを作成するときに、そのファイルの内容をメッセージの最初に付加します。
- OME_Preferencesフォルダ にHeaderAddendum.txtというテキストを作成しておくと、OME_MailWriterでメールファイルを作成するときに、そのファイルの内容をヘッダとして付加します。
- OME_SendMailは、メールファイルに指定されたヘッダをすべて送信メールに設定できるるようになりました。たとえば、SenderヘッダやReply-Toヘッダ、あるいは意味不明な(笑)ヘッダを付け加えてもOKです。メールファイルの先頭のヘッダ部(改行だけの行より前の部分)に、ヘッダ形式でテキストを加えて下さい。規定以外のヘッダについては、エンコードなどはされずにそのまま送信されます。
HTMLメール(XMLメール)の送信
- マルチパートでないHTMLメールの送信ができます。
- HTMLメールを送りたい場合には、デフォルトではメールの元ファイルを、Shift-JISコードで作成してください。メールの文面がHTMLに従っていればかまいません。
- そして、ヘッダ部分に「ContentType: text/html; charset=ISO-2022-JP」という行を加えてください(送信メールファイル内での記述は矛盾がありますが、ここれは仕方ないと考えます)。なお、ContentTypeには任意のContent-Type属性が指定できますが、text/html 以外にはどうなるのかといったことは調査していません。
- HTMLメールであることが認識されれば、Behavior_info.txtのHTMLExpandは自動的に無視され、HTML展開は行われません。
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